譲渡証明書は、車の名義変更(移転登録)に必ず必要になる書類です。書式は1枚のシンプルなものですが、書き方のルールが厳格で、運輸支局の窓口では書き損じによる出戻りが日常的に起きています。名義変更・抹消の書類を日常的に扱う立場から、間違えないための書き方を項目別にまとめます。
先に大事なことをひとつ。譲渡証明書が必要なのは普通車(登録自動車)だけです。軽自動車の名義変更に譲渡証明書と実印は不要で、代わりに申請依頼書などで手続きします。お手元の車が軽自動車なら、この時点で読む記事が変わります。
譲渡証明書とは——「譲りました」を旧所有者が証明する書類
譲渡証明書は、旧所有者(譲渡人)が「この車を確かに譲り渡しました」と証明する書類です。名義変更(移転登録)の申請時に運輸支局へ提出します。個人売買でも、親族間の譲渡でも、買取店への売却でも、普通車の所有者が変わる場面では必ず登場します。
入手方法は3つあります。
- 国土交通省のホームページから様式(PDF)をダウンロードして印刷する(最も手軽。A4・白黒印刷で問題ありません)
- 運輸支局の窓口でもらう
- 業者に売却する場合は業者が用意する(記入箇所を指示してくれるのが通常です)
項目別の書き方(記入例)
様式の上段は「車の情報」、下段は「譲渡の事実」です。
| 項目 | 書く内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 車名 | メーカー名(例:トヨタ、ホンダ) | 最頻出のミス。「プリウス」等の車種名ではなく、車検証の「車名」欄をそのまま転記 |
| 型式 | 車検証の「型式」欄を転記 | 例:6AA-ZVW51。ハイフンや英数字も正確に |
| 車台番号 | 車検証の「車台番号」欄を転記 | 1文字でも違うと受理されません |
| 原動機の型式 | 車検証の「原動機の型式」欄を転記 | 例:2ZR-FXE |
| 譲渡年月日 | 実際に譲渡した日付 | 西暦・和暦は様式の指定に合わせる |
| 譲渡人(旧所有者) | 住所・氏名を記入し、実印を押す | 印鑑証明書(発行後3か月以内)とセットで有効 |
| 譲受人(新所有者) | 住所・氏名を記入 | 押印は不要(実印が要るのは譲渡人だけ) |
要するに、車の情報4項目は車検証の丸写し、実印を押すのは手放す側だけです。
書くときのルール4つ
- 消せない黒のボールペンで書く。鉛筆・消せるボールペンは不可です
- 修正液・修正テープは使えない。間違えたら二重線+譲渡人の実印で訂正印。不安なら印刷し直して書き直すのが確実です
- 捨印は意味を理解してから。欄外に押す捨印は「軽微な訂正を相手に委ねる」意思表示です。買取店に渡す場面で求められることがありますが、金額や当事者名まで直せるわけではないとはいえ、白紙同然の書類に実印だけ押す状態は避け、車両情報が埋まった状態で押すようにしてください
- 譲渡年月日を空欄指示されたら理由を聞く。業者売却では登録日に合わせて業者側で記入する運用が一般的で、それ自体は普通の実務ですが、何のための空欄かを一言確認しておくとトラブル予防になります
ケース別・譲渡証明書が必要になる場面
- 個人売買・親族間の譲渡 — 自分たちで様式を用意し、旧所有者が記入・実印。名義変更の全体像は名義変更・抹消登録の実務記事へ
- 買取店・廃車業者への売却 — 業者が用意します。譲渡証明書+委任状+印鑑証明書の3点セットで渡すのが定型です
- 廃車(永久抹消) — 所有者本人が自分で永久抹消まで行うなら譲渡証明書は不要です。業者に引き取ってもらう場合は、業者側で移転または抹消を行うため上記3点セットが必要になります
- 車検証の所有者がディーラー・ローン会社の場合 — 所有権留保が付いており、先に所有権解除が必要です。勝手に譲渡証明書を書いても手続きできません
まとめ
- 譲渡証明書は普通車の名義変更に必須。軽自動車には不要(申請依頼書で手続き)
- 車の情報4項目は車検証の転記。「車名」欄はメーカー名を書く
- 実印を押すのは譲渡人(手放す側)だけ。印鑑証明書(3か月以内)とセット
- 修正液不可・訂正は二重線+実印。捨印と空欄は意味を理解してから
売却と廃車のどちらが得かを先に知りたい場合は、出口診断ツール(無料・個人情報不要)で車種・年式・状態から確認できます。書類の代行まで含めた業者の選び方は廃車買取の選び方ハブにまとめています。
なお、本記事は執筆時点の一般的な様式・手続きにもとづいています。様式の細部や運用は変わることがあるため、最新の様式は国土交通省・運輸支局の案内でご確認ください。